4.高島の台風への対応と今後の対策について。
昨年の台風において、高島の西浜方面の護岸に積まれていた
波消しブロックが100メートル以上にわたり姿を消しました。高島においてこんなことは今までになかったことであり、波は容易に西浜の防波堤を越え、西浜方面に押し寄せ、道路が一時的に川のように変わり、ガソリンスタンドの方によれば膝上を超える量の水が流れ込んできて、西浜方面は一時的に冠水したそうです。あれから10か月が経過していますが、いまだに
波消しブロックは原状復帰されていません。今年の夏の台風時期までに復旧作業が間に合うのか。また、間に合わない場合における台風対策をどのように考えているのかお示しください。
また、昨年の台風時において、もう1つ大きな課題を残したのが高島の浮き桟橋と架道橋の改善です。台風時になると、架道橋を海から離して一旦上げてしまいます。ところが、いまだに昨年の台風から浮き桟橋と架道橋において不具合が改善の途中とお聞きしています。このまま台風時期を迎えて架道橋を上げてしまうと、下ろすことが難しくなる危険性があるとのことです。本当に浮き桟橋と架道橋の改善工事は台風時期までに間に合わせることができるのか、進捗状況についてお尋ねします。
5.
遠隔手話通訳への取組について。
現在、
新型コロナウイルス対策遠隔手話通訳の取組が長崎県によって取り組まれています。
スマートフォンやタブレットを使い、
手話通訳者を介しながら医師とのやり取りが円滑にできるサービスです。ただし、この取組自体は
新型コロナウイルス関連の事態が収束すると、サービスも終了する可能性が高いところです。何とか継続したサービスを長崎市が主体となって積極的に取り組んでみる考えはないのか。また、今後サービスの内容は通院など医療現場だけではなく、災害時における避難所や商店街での快適な買物など、あらゆる日常生活の場面に利用できるよう生活の質の向上につながる取組を提案したいと思いますが、本市における考えをお聞かせください。
6.がん患者の
医療用ウィッグについて。
がんに罹患された方の治療と就労や社会参加等の両立を支援し、療養生活の質の向上を図るためのがんの治療に伴うアピアランスケアの支援として、脱毛に対する目的で購入した
医療用ウィッグの費用の一部を助成する取組が全国的に広がっています。2019年度の
九州医事研究会ニュースにおいて、人口10万人当たりのがん患者が多い県別の調査によると、男性の1位が長崎県であり、女性の2位が長崎県であり、総数で1位という報告がなされています。このような背景を考えると、長崎はどこよりもがん患者の生活を応援すべきであり、必要な取組と思いますが、本市の考えをお示しください。
以上、本壇からの質問とし、必要に応じて自席より再質問させていただきます。ありがとうございました。=(降壇)=
3 ◯副議長(岩永敏博君) 市長。
〔田上富久君登壇〕
4 ◯市長(田上富久君) 公明党、久 八寸志議員の質問にお答えします。
1点目の平和行政についての(2)
東京オリンピック・
パラリンピックに合わせた
原爆展開催の在り方についてお答えします。
ご質問の原爆展については、昨年度、被爆75周年事業として
東京オリンピック・
パラリンピックが開催される機会を捉え、東京都内及びその近郊においてヒロシマ・
ナガサキ原爆・平和展を実施する予定でしたが、大会自体の延期に合わせて今年度実施する予定と変更されています。現時点では、7月18日を皮切りに9月5日までの期間において東京都文京区、千代田区、埼玉県飯能市の3都市で開催を予定しています。内容としては、被爆の実相を示す写真パネル、ロザリオや動員学徒の遺品などの実物資料、また、市民が描いた原爆の絵などを展示する予定ですが、あわせて、昨年度作製しました柱時計のレプリカも埼玉県飯能市の会場で展示する予定です。また、展示のストーリーにおいては、被爆の実相を物語るものだけでなく、廃墟から立ち上がり、まちを再生する復興の歴史や核兵器廃絶に向けた市民社会の取組と平和な世界の実現への願いを併せて紹介することとしています。なお、開催に当たってはより多くの方に関心を持ってもらえるよう開催都市の広報媒体を活用するとともに、SNSなどによる若者のネットワークなども最大限に活用して周知を図りたいと考えています。
今回の原爆・平和展はコロナ禍での開催ではありますが、今年は
核兵器禁止条約発効の年であり、
東京オリンピック・
パラリンピックという平和の祭典の開催によって多くの人の関心が平和に向く絶好の機会であることに変わりはありません。当初期待しておりました国外から多くの観客が訪れることは残念ながらなくなりましたが、広島、長崎の原爆の日を挟む期間に首都圏で原爆・平和展を開催することは大きな意義があると考えており、万全な感染症対策を講じた上で開催するよう広島市及び開催都市と連携して準備を進めています。
今後も国内外の多くの人々に被爆の実相や平和の尊さを伝えるため、世界中の注目を集めるイベントや国際会議などのあらゆる機会を捉えて発信力を高め、被爆地としての使命を果たしていきたいと考えています。
以上、本壇からの答弁といたします。=(降壇)=
5
◯原爆被爆対策部長(前田孝志君) ご質問の1点目、平和行政についての(1)
原爆資料館における被爆後長崎の復興の展示についてお答えいたします。
原爆資料館企画展、復興の息吹は被爆後の長崎のまちが大きな変貌を遂げた1945年(昭和20年)から1955年(昭和30年)までの10年間の歩みを、まちや暮らしに焦点を当て、その変遷を写真で紹介しています。これらの写真を通して、原爆が奪ったものの大きさや戦後の窮状、そこから立ち上がろうとした人間の力強さを感じていただきたいと企画し、当初、会期は今年2月1日から5月31日までの4か月間を予定しておりました。会期中の3月24日に開催しました
長崎原爆資料館運営審議会において企画展を視察していただいた際、短期間のうちにこれだけ復興したことが目に見える形で展示されており非常によいなどの評価をいただく一方で、コロナ禍においてもっと多くの人に見ていただく工夫をすべきではないかというご指摘がございました。これを受け、会期を6月30日まで延長する措置を講じましたが、
新型コロナウイルス感染症防止の観点から4月28日から6月7日までの期間、
原爆資料館を臨時休館したこともあり、企画展の見学者数は昨日6月27日時点で約1万9,000人にとどまっている状況にあります。
そこで、代替策として企画展の内容を市のホームページに掲載するとともに、
長崎平和推進協会写真資料調査部会の協力を得て、展示写真を説明する動画の制作を計画しています。また、被爆10年後から現代に至るまでの展示につきましては、復興の歴史だけではなく、被爆者運動から
核兵器禁止条約の発効に至った経緯や近年の国際社会の動きなど、新たな視点を常設展示に加えてほしいとの意見もいただいているところです。そこで、今年度の
長崎原爆資料館運営審議会において、核兵器の問題や平和について考える核兵器のない世界をめざしてのコーナー全体の展示の在り方についてご審議いただこうと考えています。
原爆資料館は世界に2つしかない重要な資料館です。被爆の実相を後世に伝え、平和を発信する拠点施設として役割を果たしていけるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
6
◯水産農林部長(向井逸平君) ご質問の2点目、市民の森についてにお答えいたします。
市民の森は、市民が森林に親しみ、自然を体験することにより森林及び林業についての理解や自然愛護に対する意識を高揚させるため、その拠点となる
森林レクリエーション施設として昭和47年に開設し、順次整備を行ってきたものでございます。この整備の中では、平成6年に森林に関する学習や情報発信などの機能を備えた
森林体験館や日帰り・宿泊に対応できる
休養宿泊施設を整備するとともに、平成18年度から
指定管理者による管理運営を行っております。
現状の課題といたしましては、それぞれの施設が整備から一定期間経過していることから展示内容の陳腐化や施設の老朽化、また、今日的な整備水準では当然求められるバリアフリーなど、ハード面での不足がございます。これらの改善に関しましては、現時点で大規模なリニューアルの予定はございませんが、
指定管理者とも協力しながら展示内容の見直しなど順次改善を重ねるとともに、ハード面についても段差の解消や手すりの設置といった導線の改善など、着実に取り組んでまいります。
近年はライフスタイルの変化に伴い余暇の楽しみ方も多様化しており、また、
新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりキャンプをはじめとした野外活動への注目が高まっている状況もございます。今後ともニーズの変化を捉えながらよいサービスの提供を行うとともに、身近にありながら自然を満喫することができるという市民の森の特性を念頭に長期的な視点を持って必要な見直しを行っていきたいと考えております。
次に、ご質問の3点目、環境行政についての(2)高島のサンゴの検証についてお答えいたします。
高島のサンゴにつきましては、
高島海水浴場内に生育しておりますが、令和元年から令和2年度にかけて
グリーンツーリズム団体であるやったろうde高島がサンゴの保全と育成を目的とし、企業や大学の協力を得て、ドーム型の枠にサンゴの骨格の主成分である
炭酸カルシウムを発生させ、サンゴの着床を促進する
サンゴ育成装置を海水浴場内に3基設置いたしております。同団体の報告によると、順調にサンゴの育成がなされており、また、令和2年10月にはサンゴの生態等について研究されている学識者が海水浴場以外の場所も含め現地を調査し、新たに確認されたものも含め49種類のサンゴが確認されたと伺っております。このように、高島では海水浴場という身近な環境でサンゴが見られるという状況にあることから、同団体ではこれを地域の大きな魅力と捉え、シュノーケリングによりサンゴが観察できる
体験プログラムを実施しており、市外からも多くの方が参加されております。
長崎市といたしましても、このような農山漁村の魅力を生かし、交流を生み出す活動を推進していくため、その活動に対し助成を行うとともに、
グリーンツーリズムの
体験ガイドブックを作成し情報発信を行うなど、支援を行ってきたところです。このような取組は都市部に住む人たちが農山漁村の豊かな自然に親しみ、地域と交流するという
グリーンツーリズムの趣旨から有効なものと考えておりますので、今後とも継続的に支援を行ってまいります。
以上でございます。
7 ◯環境部長(北嶋 寛君) ご質問の3点目、環境行政についての(1)
マイボトル運動の充実についてお答えいたします。
長崎市におきましては、長崎市
地球温暖化対策実行計画の中で、4つの柱の1つとして省資源・循環型のまちづくりを掲げ、ごみの減量・最小化の取組を推進しているところです。その取組の1つとして、
長崎市役所地球温暖化防止率先行動計画の中に
ペットボトル等の資源ごみの発生抑制のための職員の行動として
マイボトル等を持参することとしています。また、より多くの市民が環境行動を実践するための
きっかけづくりとして開催しているなが
さきエコライフ・フェスタにおいても
マイボトルに関する団体の出展や、エコライフ・ウイークでは
マイボトル持参による
二酸化炭素排出削減量を示すなど、
マイボトル持参について市民に呼びかけているところです。
マイボトルを使用することは
ペットボトル等のごみの減量に加えて、
二酸化炭素排出量の削減にもつながるため、全国的にも
マイボトル運動が広まってきています。近年では、
マイボトルを持参した場合に飲料を提供する店舗や、議員ご提案の無料で冷たい水道水を給水できる非接触型の
給水スポットの設置などが行われております。このような取組を参考としながら、今後とも上下水道局をはじめ関係部局と連携し、
マイボトル運動を広げていきたいと考えております。
以上でございます。
8
◯まちづくり部長(片江伸一郎君) ご質問の4点目、高島の台風への対応と今後の対策についてお答えいたします。
高島の西浜地区の護岸は長崎県が管理する海岸となっております。当海岸では約750メートルにわたり
波消しブロックが設置されておりましたが、昨年の台風により、そのうちの約250メートルの区間におきまして一部ブロックが消失するなどの被災が発生したことが確認されております。県におきましては災害査定のために必要な現地の測量や調査、関係機関との協議を行い、今年7月に国の災害査定を受け、8月に工事に着手し、来年度完了予定とのことでございます。工事が完了するまでの間の対策としましては、長崎市において海岸に近接した市道に沿って高さ1メートルの土堤を延長100メートル設置する工事を施工中であり、7月末に完了する予定でございます。あわせて、県の
災害復旧工事の一日も早い完了を県に対して継続的に働きかけてまいります。
次に、高島港の浮き桟橋と架道橋につきましては、台風による被災で元の位置からずれて船が接岸できない状況となりましたが、管理者である県において、まず架道橋が元の位置に戻され、船が接岸できるまで仮復旧がなされております。
次に、浮き桟橋につきましても6月に入って元の位置に戻され、現在は架道橋の上げ下げができるようになっており、被災前の状況まで機能が回復しております。残る一部工事も7月末には完了し、全面復旧する予定との報告をいただいております。
今後におきましても住民の生命・財産を守る護岸や桟橋の整備や維持管理につきましては県と緊密に連携しながら対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
9 ◯福祉部長(山口伸一君) ご質問の5.
遠隔手話通訳への取組についてお答えします。
長崎市内には聴覚障害のため手話を用いて意思の疎通を図っている聾唖者が約190名いらっしゃいます。長崎市では、聾唖者が公的機関や医療機関等に行く際、付添人がなく、円滑な意思の疎通に支障がある場合には
手話通訳者を派遣しています。この
手話通訳者は長崎市内に現在134名登録をいただいており、手話派遣の依頼があった場合は長崎市で派遣可能な通訳者を調整の上、本人に同行し通訳をお願いしております。
こうした中で、コロナ禍における感染防止の観点から医療機関などの施設等への同行が困難となるケースもあることから、長崎市では長崎県からタブレット1台の貸与を受け、通訳が必要な場合に聾唖者にこの機械を渡し、外出先から画面を通じて長崎市や
障害福祉センターの
手話通訳者を介して情報交換ができる体制を取っております。市役所庁舎にも
Wi-Fi環境の整備が進んでいる中、
手話通訳者の皆様からも遠隔通訳のニーズが高まっているとのご意見も伺っています。そのため、まずは
スマートフォン等を活用されている聾唖者の方を対象に試験的にアプリ等を使った
遠隔手話通訳を行い、効果を検証した上で、体制やその内容等も含めて導入方法について検討していきたいと考えております。
以上でございます。
10
◯市民健康部長(水蘆 崇君) ご質問の6点目、がん患者の
医療用ウィッグについてお答えいたします。
がん検診による早期発見とがん治療の進歩によって、がんにかかったとしても治療が可能となり、治療後のみならず、治療中であっても社会参加や就労を続けられるようになってきております。がんの治療を始めた患者の中には治療の過程で脱毛など外見の変化が現れ、精神的負担を感じる方がおられます。令和元年度に開催された国のがんとの共生のあり方に関する検討会で報告された、平成30年度のがん患者1,034名を対象とした調査では、58.1%の方が外見の変化を体験したと回答されています。変化の内訳は、一番多かったのが手術の跡で49.1%の方、脱毛が22.3%の方、痩せたについては22.1%の方が回答されております。
議員ご質問の外見のケアのためのがん患者の
医療用ウィッグ購入費についての助成制度ですが、長崎県内では平戸市が既に1人につき1回2万円を上限としたウィッグの購入費用等の補助を令和2年度から実施しております。一方、長崎県は総合的ながん患者の支援として、がんとの共生をテーマに県内の
がん医療体制の紹介、相談会や講座、
外見ケア商品の展示、体験教室等の催しに取り組んでいるほか、拠点病院においても取組がなされているところです。
長崎市といたしましては、がん患者の
医療用ウィッグの購入についての助成制度は
がん患者支援の手段の1つとして認識しているところですが、まずはがんを早期に発見し早期の治療につなげるとの観点が重要であると考えておりますので、現在長崎市が行っている健康増進法に基づくがん検診等について、さらなる受診率向上を目指し、検診の啓発と受診勧奨に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
11 ◯35番(久 八寸志君) 一通りのご答弁ありがとうございました。それでは、再質問に入りたいと思います。
まずは、平和行政について再質問させていただきます。今回オリンピック・
パラリンピックに合わせて、東京開催ということで3つの地域、文京区、千代田区、飯能市というところで原爆・平和展を開催していただくということで、本来ならば昨年開催される予定だったと。これが今年になりまして、オリンピックがどうなるか分からないところもありますけれども、開催の方向に向けて準備していただいているということであります。
実際、このオリンピックという大事な平和のイベントでございまして、そこを考えると、そこに合わせたような取組を期待したいところです。企画であったり、周知であったりの発信方法、そういった効果をぜひとも期待したいところですが、本市としてもう1回そこら辺の取組についてお尋ねしたいと思います。
12
◯原爆被爆対策部長(前田孝志君) 再質問にお答えします。
周知につきましては、開催都市の広報媒体やSNSなどによる若者ネットワーク等の活用を考えておりますが、例えば平和教育に取り組む首都圏の大学生にネットワークを活用しSNSなどで原爆・平和展の開催を紹介してもらうことや、飯能市においては
東京オリンピック・
パラリンピック大会とつながっているあかしである東京2020参画プログラムに参加し、そこで認証されたイベントとして広く周知するなど工夫を行っています。
また、今回の展示については被爆の実相だけではなく、平和な未来についても考える機会を提供したいと考えています。これまでの原爆展では溶けたガラス瓶などの代表的な実物資料を主に展示していましたが、今回の原爆平和展では被爆死した動員学徒の遺品をまとめて展示し、その人物に焦点を当てています。過ごすはずであった学生生活を物語る資料や生前をしのばせる手紙、死を伝える電報などとともにそのご遺影を展示し、原爆で突然に未来を失ってしまった若者の生と死を通して会場を訪れる次世代の共感を呼び、被爆の実相を知るとともに、核兵器廃絶の理解や平和な未来を考えてもらうきっかけとしていただきたいと考えています。コロナ禍での開催であり、展示についても新たな試みでの開催となりますが、来場者の方々の反応や感触等も含め今回の内容の検証を行い、今後のよりよい原爆・平和展の開催に向けて努めていきます。
以上でございます。
13 ◯35番(久 八寸志君) 開催においては様々工夫がなされて新しい内容も入ってきております。特に、これからどう平和をつくっていこうかという観点で、また、若い人へ共感を求めていくというか、そういったことについても今回しっかり考えて取り組んでいただいていると。
実は、この内容において、3都市の中の飯能市が2019年に既にヒロシマ・
ナガサキ原爆写真パネル展というのを開催されています。その年の3月16日に飯能市は平和都市宣言をなさっておりまして、それを受けてその夏にパネル展をされたと。それで、今回のオリンピックにかけてまたやっていこうという、要するに連続した対応をしていただいているんです。こういったことというのは、原爆・平和展をやっていただくに当たって、やはり次につながる仕掛けをどうしていくかというのが非常に大事な視点ではないかなと思っております。ですから、ここから先をどう広げていくのか。例えば来年1月には、
核兵器禁止条約の締約国会議がオーストリアで開催される予定になっております。大きな節目の会合になるかと思います。そういったことについて長崎市も当然参加していく。日本がオブザーバー参加できるかどうかといった点もありますけれども、いずれにしても今は大きく動いているときでございますので、できればこの1年、2年、3年と継続したような原爆・平和展の在り方を進めていただければと思います。例えば飯能市においても、できれば来年もそういった取組を継続してやっていただければということを希望しているところでございます。今回、取組を終えた後に、そういったような流れもまた長崎市のほうから提案をお願いできないか。できれば飯能市自身が本当に平和の発信をする、しっかりとした、例えば平和推進課のような形になるともっとよいとは思うんですけれども、具体的にこれから先、一緒になって平和の発信をしていただくような内容を目指してもらいたいなと思いますので、これは要望とさせていただきます。
それと、復興展、原爆の10年を、復興の歴史をやられているわけですけれども、これからお願いしたいのは、これもできれば中身をつくるに当たって若い人の参画をぜひともお願いしたいと思います。いろんなお声も確かにあると思うんですが、やはりこれからの後継者をつくっていくという意味で、復興の歴史をつくっていって、また、この流れ的には核兵器のない世界を目指してということで、常設展示のほうに移行していくような考えもあるようなお話でございました。ぜひともこの中に若い人の参画を求めたいと思いますが、そういったところについての考えはいかがでしょうか。
14
◯原爆被爆対策部長(前田孝志君) 再質問にお答えいたします。
核兵器のない世界をめざしてのコーナーの展示の在り方についてご審議いただく
長崎原爆資料館運営審議会は、被爆者団体の代表者や学識経験者、教育関係者、市議会議員の皆様、地元自治会の代表者、公益団体等の代表者及び公募員の20人で構成されております。公募員として大学生お一人に委員になっていただいており、次世代の視点からのご意見をいただけるものと思っております。また、議題によっては被爆の実相や平和の大切さを伝える活動を行っている青少年ピースボランティアやナガサキ・ユース代表団などの意見を聞く場を設けるなど、若者の意見を取り入れる工夫を積極的に行いたいと考えております。
以上でございます。
15 ◯35番(久 八寸志君) 取り入れていく考えがあるということでございます。ただ、意見をいただくというのは非常に大事なことでもあるんですが、今度は意見をいただいた後にそれがどう形となっていくのかというところも多分若い人にとってはすごく大事なことじゃないかと。自分たちの意見がどう反映されて、この内容にしっかり息づいているのかというところがあるかないかでは、これから一緒につくっていこうというような流れが全然変わってくると思うんです。ですから、できればこの核兵器のない世界をめざしてという大きなタイトルを今からやっていく中で、若い人の人材育成といった部分での参画をつくっていただければなと思います。
また、内容においてもいろんな若い人たちが、もっと言えば世界の若い人たちが、これから県外原爆展あたりで世界もしくは日本中の大学をお願いするに当たって流れができていくかと思うんですが、この核兵器のない世界をめざしてという共通のタイトルとして、ぜひともSDGsの考えをそこに入れていっていただきたいと思います。これは非常に世界の共通項でございます。ですから、そういった視点で話をまた展開していただけると、いろんな国の方々も参画できる、そういったチャンスにもつながるのではないかと。ぜひとも息の長い取組を、一過性ではなくて長年にわたって継続性のある取組をお願いしたいと思います。よく言う未来志向型というんでしょうか、核兵器のない世界を目指してというところを本当に一緒になってつくっていただく人たちをつくっていただければと、これも要望とさせていただきます。
次に、市民の森についてお尋ねしたいと思います。実は、私も自宅から非常に近いところでございまして、車で15分で着くところにあります。いろんな方から市民の森についての活用の在り方を聞く機会がございまして、私も、実際どうなんだろうと思いまして尋ねることがありまして、いろいろと内容を調べさせていただきました。一番びっくりしたのが、基本的には通常のキャンプ場で、林間キャンプ場というところがあるんですが、以前なら20区画ぐらいキャンプ場が設置されている場所だったんですが、今は何と2区画しか稼働していないと。トイレも使えない状況であったりとか、水回りが悪い状況ということで、当然ながらそういったところでありますので大変な状況と。それで、ビギナーキャンプ場というのはまた
指定管理者のほうで整理していただいているんですけれども、ここは逆にトイレがなくて水回りもないというようなことであります。ですから、炊事であったり、そういったところは
森林体験館のほうに来ないとできないという、バーベキューもすることができないという、キャンプ場と言いますが、実際はなかなか厳しい状況が見て取れると。両方ともあれなんですけれども、例えば炊事をするかまどの劣化とか、そういったところも林間キャンプ場は非常に厳しい状態になっておりました。キャンプをする方はここら辺は用意周到で来られるので、ある意味そういったことも気にせずにしっかりといろんな道具をそろえてキャンプをされるというのも実際あるらしいです。ただ、初心者であったり家族連れであったり、そういった方々にとっては非常にハードルが高いことになるかなと思いますので、ぜひともそこら辺は改善をお願いしたいと思いますし、また、トイレ関係も非常に厳しい状況がございました。多目的トイレが1つしかなくて、なかなかキャンプ場においてはそういったことはハードルが高くなることでございますが、ぜひともそういったことについてもご検討をお願いしてもらいたいと。あと、
森林体験館の中においても、森の環境を音声で紹介するジオラマのコーナー、要するにちょっと目玉的なコーナーがあるんですが、そこが今、故障している状況になっていました。それから、いろんな展示物が結構色あせてしまって厳しい状況でありました。また、図書のコーナーっていって、多分いろんな人のご厚意で集まった本ではないかと思うんですが、結構古い本がかなりありまして、最新のものはほとんどないといった状況でした。いろいろ言うとほかにもたくさんあるんですけれども、とにかくそういった基本的なところの改善をよろしくお願いしたいと思います。
ただ、こういった取組自体は、キャンプの話が昨日からも出てましたが、話題的にはかなりばっちり合っている場所でございまして、特に長崎市内から近郊で、20分から30分あればキャンプ地に届くというのは、なかなかない条件ではないかと思います。ですから、整備次第ではしっかりと誘客が望めるんじゃないかなと。例えば今そういった取組において、あぐりの丘では全天候型子ども遊戯施設であったり、南においては恐竜博物館といったものが整備されていて、交流人口の拡大で10万人を超える人に来ていただこうという取組でございます。この市民の森においても、今は大体年間2万人と聞いておりますけれども、できれば10万人を目指して頑張ってもらいたいと。そうなると、やはり将来的にしっかりとした考え方、計画が必要ではないかなと。もっと言えば、市民の森全体の再整備計画というのを、今は開港500年に向けて長崎市は取り組んでいるんですけれども、そういったことについて検討していく考えはないか、再度お尋ねしたいと思います。
16
◯水産農林部長(向井逸平君) 再質問にお答えいたします。
今、議員から10万人を目指してというお話がありました。同じく議員からご発言があったように、ここ5年間を振り返ると大体2万人台で推移して、昨年度は新型コロナウイルスの影響で1万3,000人と減少しております。そういった中でもアウトドアに対する志向と申しましょうか、というのはだんだん高まってきているというのを我々も肌身で感じております。年間10万人という利用者目標は現状から考えると大分遠い存在ではございますけれども、市民の森は都市の近郊で広大な市有林というのをベースに運用しております。やはり森林の価値というのは普遍的なものでもございますので、今後ともそういったニーズの変化を把握しながら必要な見直しを行って、より多くの市民の皆様にいつまでも愛されるような施設になるように改善をして、利用者の増加に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
17 ◯35番(久 八寸志君) 長期展望、そして短期の、今、目の前にある改善の内容、2つの視点があったかと思われます。ぜひともしっかり計画を立てていただいて改善に取り組んでいただきたいと思います。要望とさせていただきます。
それでは次に、
マイボトル運動についてお尋ねしたいと思います。実際、
マイボトル運動は長崎市においては長きにわたって大分前から取組をされていると聞いています。職員の中でもこの取組をしっかり行っていると聞いておりますが、実情はどうなのか。どれぐらいの方がこの
マイボトル運動に取り組まれているのか、まずお尋ねしたいと思います。
18 ◯環境部長(北嶋 寛君) 再質問にお答えいたします。
長崎市職員の
マイボトル持参割合は、エコライフ・ウイークでのアンケートの中に水筒やタンブラーを使用するかとの質問があり、その結果、
マイボトルを持参している職員は6割程度となっております。
以上でございます。
19 ◯35番(久 八寸志君) 6割ということでございますので、結構な人数、1,000人を超えることになるんじゃないかなと思います。それだけの方にやっていただいているとなると、結構CO2の削減であったりとか、お財布に優しいといったところで、本当は数字としても検証できるのではないかなと思います。
今は6割ということで、すごいんですが、今後10割を目指すような取組をやっていただきたいところですが、そこら辺も含めて、また、実際
マイボトルなので一回飲んでしまうと空になります。空になった後、どこでどうやって補給されているのか、そこら辺についてよかったらお答えください。
20 ◯環境部長(北嶋 寛君)
マイボトルを持参した場合の効果といたしましては、先ほど議員からもありましたけれども、例えば週の半分
マイボトルを持参した場合には二酸化炭素の排出量の削減は1人年間約19.5キログラムの削減となります。また、ペットボトル飲料を買わないことになりますので、節約金額ということでは1人年間約2万500円の節約ということになります。当然ですけれども、さらにごみの削減ということにもつながってまいります。このようなことをお示ししながら、引き続き市民に対し
マイボトル持参について呼びかけを行っていきたいと考えております。
以上でございます。
21 ◯35番(久 八寸志君) ありがとうございます。ぜひとも推進をしっかりやっていただいて、また、検証もやっていただけると、すごく分かりやすくて意義があることになるのではないかなと思います。この
マイボトル運動は、先ほども環境部長からもあったように、ペットボトルの削減であったりプラスチックごみの削減、CO2は当然削減、それからもう1つ、実は熱中症対策にも寄与しております。また、経済的にも優しいと。何よりも誰もが参加できる運動であるということで、また、目に見えた効果も検証できるということで、これは一過性ではないと思うんです。やはり10年スパンぐらいでしっかり取組を環境保全の運動として位置づけて、これもSDGsの観点から、重要な取組になるのではないかと思います。
ここで少し思っているのは、長崎市としては水道水を飲んでいただきたいというのが1つあって、今、実はペットボトルを作られています。あじさいの雫といって、年間1万本以上作られているということなんですけれども、避難所用としても使っているということで、非常に意味がある内容ではないかなと思いますが、一定量、中身を考えていただいて、今みたいな話からいうと、受皿になる給水機等が大事になってくるかなと思われるんです。ですから、水道水も給水機で使えるということでございますので、そういった考えで配置を増やしていくような、非接触型と言われますけれども、考えはないか、上下水道局長、お願いいたします。
22 ◯上下水道局長(野瀬弘志君) 再質問にお答えいたします。
現在、長崎市のおいしい水道水をPRするため、例年ペットボトル水道水、あじさいの雫を約1万本製造し、主に上下水道局のイベントや地域での催物などで配布を行うとともに、災害時の緊急用飲料水として役立てております。一方、議員ご指摘のとおり、SDGsの観点からペットボトルの製造や再利用等の過程において発生する二酸化炭素の排出量の削減が求められていることから、上下水道局といたしましても課題として受け止めており、議員ご提案の
マイボトル用冷水器の設置やボトルの材質を紙パックやアルミ製とするなどの先進都市の取組を参考として検討を進めているところでございます。
また、今年度は水道創設130周年であると同時に、下水道も60周年を迎えることから、記念事業として長崎市出身の漫画家である渡辺 航先生の人気漫画、弱虫ペダルとコラボしたデザインマンホールの設置事業を進めており、その事業の一環として弱虫ペダルデザインのスポーツボトルの製作を予定しております。このボトルにより安全でおいしい水道水のPRとともに、
マイボトル運動の推進にも貢献できればと考えております。今後とも地球環境に配慮した手法の選択や環境部と連携した
マイボトル運動の推進など、脱炭素に向けた取組に貢献できるよう努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
23 ◯35番(久 八寸志君) ぜひとも上下水道局と環境部が一緒になってこの取組の推進をお願いしたいと思いますし、また、受皿になるところが、冒頭ご紹介もしたんですけれども、交流人口が多い場所、できれば令和5年1月にスタートする新市庁舎においてもそういった体制をいただければなと。また、当然新幹線の開通においては新しくできる観光案内所であったり、全天候型子ども遊戯施設においても子どもたちがたくさん来るところでございます。関係所管とぜひとも連携を取っていただいて、推進の検討をお願いしたいと思います。10年かけてしっかりつくり上げていって、SDGsの観点からもこれだけのことが全体でできたというような取組をお願いしたいと思います。これも要望とさせていただきます。
次に、サンゴの件についてお尋ねしたいと思います。実は、サンゴの養殖器がビーチの中に3基入っておりまして、6月19日に東京のほうから先生が調査にお見えになって、サンゴ養殖器を作られた先生でございますけれども、実際検証はどうだったのかということで見に来られました。それと、もう1つが長崎大学の先生も水質検査をサンゴを育てるような水質はどうなのかという視点で昨年から検査をしていただいて、今年も東京の先生が来たときに一緒に海に入って検査を進めているところでございます。要するに、今まで観光、シュノーケリングを通じてやっていた内容をもっとしっかりと知識を持って、中身を持って検証をしていこうと変わってきております。また、昨年、宮崎から来られた大学の先生も、サンゴの種類をほとんど解明することができる先生で、昨年はビーチ内じゃなくて高島国民健康保険診療所前に潜られまして、そのときに新しく11種類を発見されています。また、台風被害がどうであったかとか、そういったこともしっかり検証されて、エダミドリイシといって絶滅危惧種なんですけれども、ビーチ内はこれがかなり散乱していました。それで、どうなるんですかという内容においては、生命力があるのでまたしっかりとつなぎ合って、かえってばらばらになることによってさらにエリアを広げていくんじゃないかとか、そういったことも言われていました。また、実は診療所前にもエダミドリイシの群衆があることが発見されております。要するに、高島の海にとってすごくすばらしい資源があることが年々検証されていっているんです。このことについて市として、環境部として、しっかりと発信であったり、活用する考えがないのか、そこら辺についてお尋ねしたいと思います。
24 ◯環境部長(北嶋 寛君) 再質問にお答えいたします。
高島のサンゴについては希少種を含め非常に多くの種類のサンゴが生育していると伺っており、この高島の豊かな海の大切さを市民や将来を担う子どもたちに対し発信することは長崎の恵み豊かな環境を将来に引き継ぐために非常に重要なことであると考えております。このことから、水産農林部や関係団体とも情報共有を図りつつ、情報発信に努めてまいりたいと考えております。また、あわせて市内にはほかに豊かな自然と触れ合える場所が多くありますので、これらについても市ホームページでの紹介をするなど、情報発信に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
25 ◯35番(久 八寸志君) ぜひともそういった意味ではしっかりと中身をつくり上げていっていただきたいなと期待したいと思います。よろしくお願いいたします。次に、高島の台風への対応と今後の対策についてに移りたいと思います。
実際、昨年9月に台風第10号が来て、かなりの被害に遭っております。
波消しブロックが100メートル以上にわたってなくなるという、非常にあってはならないことなんですけれども、そういったことに対しての対策です。1つは桟橋もやられました。桟橋のほうが間に合うだろうということで答弁いただきましたのであれなんですけど、実際、桟橋がもしも使えなくなったとき、島民の足になる船をどうやって確保していくのか、そこら辺の考え方についてお聞かせください。
26
◯まちづくり部長(片江伸一郎君) 再質問にお答えいたします。
今後の災害への備えといたしましては、まずは施設の管理者である県に対しまして台風、大雨が想定される際の事前の対策を万全に行っていただくよう要請いたします。それに対しては、市としても必要な協力は行ってまいりたいと考えております。それでも桟橋が被災し、このたびのように船の接岸が不可能となった際は、この桟橋の隣にふだんは救急艇が停泊しております桟橋がもう1つございます。こういったものもうまく使って代替輸送ができないか、国や県、運行事業者との協議を進めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、災害の発生前から様々な事態を想定した上で、関係機関等と連携を取りながら対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
27 ◯35番(久 八寸志君) ぜひともしっかり連携を取っていただいて、緊急時に間に合うようにお願いをしたいと思います。
それと、
波消しブロックが今回ないんです。ないので、高波が来たりいろいろすると、かなり浸水する可能性が高くなります。そのときに、高島もそうなんですけれども、避難計画というのは今までほとんどありませんでした。ところが今回、波が来ることによって道路が全て川状になったということで、避難自体ができなくなったんです。ですから、そういったことについての避難計画をこれから島民とどうやってつくっていこうと思っているのか、お答えください。
28 ◯危機管理監(山口典昭君) 再質問にお答えいたします。
これまで高島地区においては鉄筋コンクリート造の市営住宅や高台に居住されている方が多いことから、昨年の台風前までは過去5年間、指定避難所等に避難される方はいませんでした。しかし、昨年の台風第10号のときは29名の方が指定避難所である高島ふれあいセンターに避難されています。現在、長崎市では市民が安全に避難行動を取れるように、地域住民の皆様に参加していただき災害時の対応等を話し合いながら地域防災マップ作りを進めております。高島地区においては平成25年に作成させていますが、作成から年数が経過しているため、昨年の台風の教訓を生かした防災マップ作りの見直しについて働きかけを行ってまいりたいと思います。
あわせまして、今後は南消防署等とも共同して連合自治会との訓練を計画しておりますので、その中で避難訓練や避難所運営訓練も実施していきたいと考えております。
以上でございます。